2009年01月08日

変身のためのオピウム

変身のためのオピウム
多和田 葉子
4062108518

そしてさらに多和田葉子。22人の美しい名を持つ神話の女たちが少しずつ重なり合いながら詩的な世界を紡いでいく。なんだかもう、いったい、どこまで? という感じ。絶版になってるけどこれはちゃんと手元に置いて何度でも読み返したい。
posted by nadja. at 22:18| 小説*日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月07日

ピアノチューナー・オブ・アースクエイク

そして今年1本目の映画はクエイ兄弟+テリー・ギリアムの『ピアノチューナー・オブ・アースクエイク』。あやうく見逃すところだったのを滑り込みでシネ・ヌーヴォのレイトショーへ。ビオイ・カサーレス『モレルの発明』とレーモン・ルーセルの『ロクス・ソルス』が一緒になったらこうなるしかないよな、の幻想世界が爆発。マルヴィーナが夢のように美しく、永遠に反復されるのであろうラストシーンは『モレルの発明』のもの悲しさを見事に表現していて、大満足。でも前に座っていたふたり組の女の子は終わった瞬間に「訳わかんない」と言ってた(笑)。同じく『モレルの発明』を下敷きにしたアラン・レネの『去年マリエンバートで』ほどは、訳わかんなくないと思う。
posted by nadja. at 23:21| film | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月06日

紫苑物語

紫苑物語 (講談社文芸文庫)
石川 淳
406196044X

『飛魂』のアマゾンレビューにあがっていたので、お勉強熱心なものだからさっそく借りてみる。うわ、ふるめかしい古文調だ、と顔を顰めたのもつかの間、物語じたいの持つ引力がすごくて途中でやめられなくなる。わたしにとってはまったく新しいジャンル。表題作よりも「八幡縁起」が良かった。
posted by nadja. at 21:51| 小説*日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月05日

二〇〇二年のスロウ・ボート

二〇〇二年のスロウ・ボート (文春文庫 (ふ25-1))
古川 日出男
4167679744

村上春樹の『中国行きのスロウ・ボート』を読んでいないのでリミックス作品、といわれてもどこがどうミックスされているのか分からないのだけれど、これはこれで独特の軽さ/リズム/衝動があり、この人の書いたものももっと読んでみたい、と思った。なにせ『ベルカ、吠えないのか?』は昨年読んだもののなかでは10本の指に絶対入る。なんだかんだいって、私たち、好むと好まざるとにかかわらず、みな村上春樹の影響下に置かれているということ。
posted by nadja. at 22:39| 小説*日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月04日

旅をする裸の眼

旅をする裸の眼 (講談社文庫)
多和田 葉子
406275942X

こちらも購入。とある映画女優をめぐり、ヴェトナムからベルリン、そうしてパリへ、ひとつの眼が旅を続けていく。各章のタイトルは全部、とある映画女優の出演作品。いくつか見た映画もあるけど、映画の筋書きと、この裸の眼の物語が渾然一体となって、どこにもない時空間を紙の上の表出させている。なんだかもう、ごめんなさい、という感じ。
posted by nadja. at 21:04| 小説*日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月03日

犬婿入り

犬婿入り (講談社文庫)
多和田 葉子
4062639106

これは文庫になっているので購入。表題作のほうはちょっと金井美恵子を思わせるようなひねくれた文体だった。たぶん多和田作品のなかでは一番有名なのだろうけれど、あまりピンとこず。私自身、ユーモアのセンスが欠如しているもので。
posted by nadja. at 14:20| 小説*日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月02日

飛魂

飛魂
多和田 葉子
406209150X

だから早速図書館に行って目に付いた本を片っ端から借りて読むことにした。そうしたら、もう、最初の1ページを読んだ段階で、これこそ、わたしがずっと読みたいと思っていた本だ、と思ったのだった。

「ある日、目を覚ますと、君の枕元には虎が一頭、立っているだろう。」

完璧な書き出し。読み終えるのがもったいなくて、身体が震えた。
posted by nadja. at 11:23| 小説*日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月01日

ゴットハルト鉄道

ゴットハルト鉄道 (講談社文芸文庫)
多和田 葉子
4061984020

不幸にも多和田葉子は河出文庫の『文字移植』しか読んだことがなく、たまたま気まぐれで読んでみたら表題作よりも「無精卵」のものすごい展開にうちのめされて、これまでわたしはいったい何を読んできたのだろうか、と頭をかかえ、そのうえこれまでわたしはいったい何を書いてきたのだろうか、と失語症に陥ってしまったのだった。
posted by nadja. at 23:01| 小説*日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月28日

冬籠もり

ただいま冬籠もり中です。
多和田葉子を片っ端から読んでいます。

人の言葉に埋もれて自分の言葉を喪失するのはとても幸せなことです。浄化されているような気がします。いつまで籠もっているつもりなのかは分かりませんが、もそもそ起きてきましたらまたよろしくお願いします。

nadja.
posted by nadja. at 02:01| etc | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月23日

闇の子供たち

闇の子供たち (幻冬舎文庫)
梁 石日
4344405145

フィクションだそうで。たまたま人から借りたのだけれど幻冬舎文庫という段階で読む気が失せ、三分の一くらいで吐き気がした。あとは斜め読み。露悪趣味、或いは偽悪趣味のオンパレードで、露骨な性描写とストーリーを追うだけの平凡な文体にうんざりする。いわゆる「神の視点」からの三人称小説であるはずなのにそこらじゅうに散見する過剰な主観的表現が鼻について仕方ない。客観的に外側から書かれているはずのものが突然内側から痛みや苦痛を訴えかけてくる、というのが、もしも作為的なものだとしたら、趣味が悪いとしかいいようがない。

冷蔵庫とテレビのために娘を売り飛ばす親。恥知らずな欲望を「後進国」相手に垂れ流す「先進国」の変態たち。腐敗した政府、官僚、警察組織、金に群がるマフィアたち(彼らもまた「元闇の子供たち」であり、そこには断ち切ることのできない再生産の仕組みができあがっている)。たとえフィクションであっても現実は遠からず近からずというところにあるのだろうし、一読することに意味がないとは思わないけれど、この悲惨な子供たちを生み出したのはあなたが享受している豊かな物質社会なのですよ、あなたのその恵まれた生活はこのかわいそうな子供たちの犠牲の上になりたっている、非人間的なものなのですよ、ということくらい、実感として分かっている。グロテスクな想像力と独善的な正義感を押しつけられる、非常にいやな本である。たぶん映画はDVDになっても観ない。
posted by nadja. at 20:13| その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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