2006年12月07日

貴方はどんなふう?

青の物語
マルグリット ユルスナール Marguerite Yourcenar 吉田 加南子
456004323X

「私はユルスナールの『青の物語』というのが好きで」、と書いたくせにどんな話だったのか全然思い出せなかったので再読。

サファイアを巡る欲深い商人たちの寓話だった。誰も求めるものを得られず、皆が皆どんどん、残酷に落ちぶれていく過程と、ごく低温の言葉で語られる「青」のイメージが好きなのだった。

はじめて読んだのは10年以上も前のことだが、今読むと「青の物語」の次に入っている「初めての夜」のほうがいろんな意味でずーんときた。結婚生活に入って行こうとする男はこんなふうなのだろうか。彼や彼や彼が何をおもってどんなふうに結婚していったのか、私は知らない。だがとにかく、この乾きに乾いた感触は、好きだ。

「私たちの人生の大部分の時間は、未来あるいは過去が影を投げさえしなければすばらしいものなのであり、普通私たちが不幸になるのは思い出か、さもなくば予感によってのみなのだ、」(P.34)という一文を前に、苦笑する。


posted by nadja. at 23:13| Comment(0) | 小説*海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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