2005年03月05日

すべてがFになる/森博嗣

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すべてがFになる/講談社文庫

またしてもFになってしまいました。

どんな本でもそうですが、読了して骨子は覚えていても、その細部まではたいてい忘れてしまっているので、読み返してみると色々と新しい発見があったりして楽しいものです。S&Mシリーズで読み返してみたいのはあと「封印再度」と「有限と微小のパン」くらいかなあ。

ところで私は一次関数も解けないバカなので「7だけが孤独だ」というほとんどこのミステリの鍵ともいえるモチーフの意味を理解することができません。

「1から10までの数字を二組に分けてごらんなさい。そして、両方とも、グループの数字を全部かけ合わせるの。二つの積が等しくなることがありますか?」「ありません」萌絵は即答した。「片方のグループには7がありますから、積は7の倍数になりますけど、もう片方には7がないから、等しくはなりません」

この部分を読んでははーんなるほどと思った方は後半部分で展開される10進法とか16進法とかの「謎解き」もははーんなるほどと納得することができるだろうと思うのですけれどははーんなるほどと思えなかった方でも私のように「すげえおもしれえ!」と思うことは可能です(笑)、なんというかもて遊ばれているような、「絶対にどうしても理解できないもの」の前でただすげえすげえと脱力しているような、そんな受動的な楽しみ方が、できます。

そんなどうしても理解できない「理系の壁」をこえてでも私がここまでのめりこんでしまったのは多分、全体に漂っている虚しさの感覚、なんだと思います。文系でも理系でもすべてを突き詰めていったところにあるのは結局、「ある種の虚しさ」であることに、違いはありませんから。


posted by nadja. at 18:21| ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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