2008年12月02日

ひとさらい

ひとさらい (1979年)
ジュール・シュペルヴィエル 澁澤 龍彦

風邪を引きました。今年の風邪は鼻水と喉に来るようです。皆様もお気を付けください。風邪ひいたー、会社休み、わーい、読書三昧だ(笑)、などと思ってはいけませんよ。熱がさがりません。

さて心優しきフィレモン・ビガ大佐は奥方との間に子どもができないがために街角で子どもを拾ってくる。冒頭、女中とデパートに来ていたアントワンヌがさらわれるところで物語ははじまる。ビガ大佐は徹頭徹尾善人である。あしながおじさんのような人。けれどもマルセルという女の子をもらいうけたところからビガ大佐の理念はガタガタと崩れ始める。マルセルは美しく、媚態を示しさえする女の子で…

このへんのビガ大佐の煩悶は一読にあたいするのだが、第一部の夢見るようなおとぎばなしの世界がしだいしだいに壊れていくのをたどるのはちょっと心苦しい。そうして澁澤龍彦が、かくも子どもを愛するビガ大佐の物語を訳出していることにも、いいようのない矛盾を感じるのだった。
posted by nadja. at 00:12| 小説*海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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