2008年11月20日

大阪ヨーロッパ映画祭

大阪ヨーロッパ映画祭の季節。今日はシネ・ヌーヴォで『痛ましき無関心』と『蒼ざめた馬』を。『痛ましき無関心』は大阪初とのことでタイトルがごく自分好みでもあるし、かなり楽しみにしていたのだけれども正直ソクーロフ作品のなかではだめなほうなんじゃないか。原作はバーナード・ショーの『傷心の家』。こっち読まなきゃ何も分からないと思われる。船のような形の奇妙な家(ノアの方舟のような?)に暮らすエキセントリックな一家が砲弾の音を間近に聞きながらどうしようもない頽廃に明け暮れている。嬌声が耳についてうっとうしくてならない。ラストシーンは必然としても、そこに至るまでの一連の映像は、たしかに悪い意味で「痛ましい」ものだった。『蒼ざめた馬』はロープシンの原作から何回か引用したこともあるくらい大好きな一冊なのに、いきなり騒々しいフレンチカンカンで幕をあけた時点でいやな予感がした。原作を隅から隅まで貫いている孤独と身勝手、絶望と虚無感、そんなのは全部どこかへやられてしまって、ただ大公という存在を殺すことに情熱を燃やすかたくななだけの男としてのっぺり描かれていたのがものすごく不満。「すべては虚偽であり、すべては空の空である」、ここは絶対はずしちゃいけない。

蒼ざめた馬 (岩波現代文庫)
ロープシン 川崎 浹
4006021097

さっそく読みなおしにかかる。
posted by nadja. at 01:28| film | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。