2008年10月31日

ひとこと言わせて(いや、ひとことじゃ無理)

私が高校3年生だったちょうど今頃、だったと思う、推薦入試が終って、それなりに進路を確保したクラスメイトたちが教室に大量のマンガを持ち込み始めたのは。あのね、あんたたちは終わったかもしれないけどね、素行の悪かった私はね、とてもじゃないけど推薦なんかしてもらえなくて、これからなんだよね、これから追い込みなんだよ、なのに何よ、そのマンガ、

ということで手に取ったのが『王家の紋章』であったのだった。やめとき、という制止の声を振り切って読み始めたが最後、当時で30巻くらいまで出てたのかなぁ、あとはもう、何をかいわんや、である。

そして今、会社では『天は赤い河のほとり』(文庫で全16巻)が回し読みされていて、私もめでたく仲間外れにされずにその恩恵を賜った。以前から『王家』に似てる、着想が全く同じ、エピソードもかぶってる、パクリだ、パロディだ、という噂を小耳にはさんではいたのだが、読了してみて、

これは(『王家』+『BASARA』)÷2だよ!

という結論に達したのであった。以下は激しいネタバレになるので読みたい人だけ読んでください。
なんといってもウルヒ! ウルヒが隻眼になった瞬間に「おまえは揚羽か!」と。それだけじゃない、「おまえは柊か!」と。あの長い髪、きらきらの眼帯、背中の傷、そして「男性として機能しない」、あまりにもあからさまなその相似に、大丈夫なのか、と心配になったほどだ。

そしてユーリは言うまでもなくタタラ。アスランは夜刀。シムシェックは蜻蛉と新橋。ザナンザは四道。ナキアは白の王か。イル・バーニはナギ。どうです。

***

何の必然性もなく、いきなり現代から古代へタイムスリップさせられてしまう、という設定がまず『王家』そのもの。水を介在させるところも同じ。『王家』には墓を暴いた呪い、という大義名分(?)があったけど、『天は…』にはない。そのぶん、『王家』のほうがバックボーンはしっかりしてるのかな、という感じだが、展開の早さ、コンパクトさは圧倒的に『天は…』の勝ち。永遠に終わる気配のない今の『王家』はもう読めたシロモノではなくなってしまっているから、この潔さ、淡白さ(登場人物ちゃんと死ぬし…)は救われる。あくまでヒッタイトとエジプト、ちょこっと周辺諸国、という広がりも適度で良い。『王家』の失敗はギリシャ世界を入れちゃったことだと思うんだよねぇ…。あまりに終わらない『王家』にしびれを切らせて、私がこの話収拾つけてやる! という動機で書き始められたマンガなのではないだろうか。

***

そういうわけで、登場人物は相当部分を『BASARA』に負い、ストーリーは『王家』を踏襲、または修正する、という、とっても野心的な作品なのだった。これって二次創作のレベルなのでは…とハラハラしたが、3作全部読み比べてみるのも、一興かと。

ちなみに『王家』は現在53巻まで、『BASARA』は外伝含めて全27巻、『天は…』はコミックス版なら全28巻、ぜーんぶまとめて108冊、煩悩の数と同じだけ(笑)。
posted by nadja. at 01:07| etc | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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