2008年10月25日

リゾートへ

ヴァーミリオン・サンズ (ハヤカワ文庫SF)
J・G・バラード 浅倉 久志
4150106916

「ヴァーミリオン・サンズは未来が実際にどんなものになるだろうかという、わたしなりの推測である」、と冒頭。「明るすぎる砂漠のリゾート」、ヴァーミリオン・サンズ。アリゾナとイパネマ・ビーチの中間を想起されたし、とのこと。セレブリティが集うこの架空のリゾートでの、雲の彫刻だったり、歌う花だったり、歌う彫刻だったり、成長し続ける彫刻だったり、着る人の感情にあわせて形状を変えるドレスだったり、住む人の感情を記憶してこれまた形状を変える屋敷だったりの、たしかに未来的で、どことなくけだるい物語が9つ。未来はどうやら、われわれの内的な感情が外的環境に直接作用を及ぼす世界であるようだ。『ドリアン・グレイの肖像』をどうにかしたような、「希望の海、復讐の帆」がお気に入り。VTというヴァース・トランスクライバーがあらゆる詩を作り出してしまい、誰も詩を「ほんとうに」書かなくなるという設定の「スターズのスタジオ5号」も◎。しかし読む季節も場所も間違えた。夏場に、それこそリゾート地で、真昼間からシャンパンでも飲みながら、読んだらさぞ、気持ち良さそうな。
posted by nadja. at 23:01| SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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