2008年08月13日

タマや

タマや (河出文庫)
金井 美恵子
4309405819

読んじゃった読んじゃった、なんというかこの閉塞状況に耐えかねて、紅梅荘の開放的な空気を味わいたく。これという目的もなく、それこそ「希望もしない、絶望もしない」できゃっきゃきゃっきゃとじゃれあう人々。もちろん金井美恵子なのでそこには猛毒がしかけてあるのだけれど、この猛毒を逆に解毒剤とせずなんとする。現実世界ではこうまでぽんぽん都合よく偶然は連鎖しないが、この虚構ならではのスピード感を味わうもまたよし。登場人物全員が愛すべきキャラ。「人生というのは、事実の連続というよりはるかに出来事の連続あるいは不連続というべきものじゃないだろうか」、と、情けない役回りで登場させられる精神科医も最後にいいことを言う(大ラスでは結局どーんと落とされるのだけど)。事実は比較的恣意的である。出来事だけが絶対的。出来事、あるいは事件、ドゥルーズの…いやいやだめだめ、そのへんの話はまだしばらく禁止、とにかく、楽しいのですよ、この人たちは。
posted by nadja. at 02:52| 小説*日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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