2006年07月29日

分厚い

ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ(初回限定盤)
ミューズ
B000FPX16A

様々な事情から日本盤を選択されたかたおめでとうございます。今回は日本盤が大当たりの模様。私はDVDに騙されてインポートを選んで撃沈されたのですが。

さてきょんさんのところに

1 kidA辺りのレディへ
2 NHKみんなのうた
3 DJマシューpresentsジーザスジョーンズmix
4 Vシネディスコ
5 世界の車窓から
6 ワールドカップドイツ公式テーマソング(閉会式)
7 謎の村雨城メタルアレンジ
8 ボーナストラックにありそう
9 はぐれ刑事純情派エンディング
10 ジェフ・バックリーがショパンをカバー
11 クイーン調ロックオペラ@中世

こういう感想が書かれていたわけですが面白いですね。こういうセンスが欲しいです。私は7曲目以降の、ブラックサバスとかアイアンメイデンとかをぶった切りにしてこってりと分厚く煮込んでみました、みたいなのが良いなと思ったのですがどうも2曲目の「Starlight」の平和なメロがいけません。ちょっとばらつきが気になる一枚です。
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2006年07月28日

断片だけが

口に出せない習慣、不自然な行為
ドナルド バーセルミ Donald Barthelme 山崎 勉
4882022982

「断片だけがわたしの信頼する唯一の形式」―p.204

といわれてもはてこの膨大な断片の集積からどのような「意味」を汲み取ることが可能なのだろうかと裏カバーに「ポストモダン・メタフィクション作家」の紹介文のあるバーセルミの作品に向かって悪態をつくことはいたって野暮なのであるがそれにしても眼球は疲労する。

「バルーン」を、どこかで読んだことがあるような気がしてならないのだけど、もしかするとこの本まるごと昔読んだことがあるのかもしれない。

読んでいるときはその流れにのせられて(読みにくくはないのだ、不思議と)つらつら進むけれど読了してみるとはて、である。今もう一度読み返してもそれを読んだかどうか思い出せないかもしれない。断片と断片がうまく手をつないでくれない。

とはいえこの本の中で一番読んでいる瞬間面白いと思ったのはもっとも断片化の激しい「アリス」であった。
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2006年07月27日

おそろしい

母の発達
笙野 頼子
4309405770

笙野頼子、と名前のある本を開くとそこには異常事態が発生している。『二百回忌』も、『レストレス・ドリーム』も、なにかとんでもないものを「見て」しまったという印象だった。「読んだ」ではない。頁の間から、文字の間から生のまんまの何か得体のしれない異常事態がぐぅううと音を立てて立ち上がってくるのだ、おそろしいったらありゃしない。

そして今作はずばり『母の発達』なのである。頁には「母」という文字が溢れている。そして母が、「あ」の母、「い」の母、「う」の母が・・・。

母は縮小し、惨殺され、そして増殖する、記号に還元された母は今私が叩いているキーボードの上で跳梁跋扈している、ありとあらゆる言語の源には「母」の刻印がべったりと記されている、ロゴスのファロサントリスムを解体せんとする意図を読み取れなくもないけれどそんな悠長なことをいってられない、

おそろしい。
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2006年07月26日

ゆらゆら

海の上の少女―シュペルヴィエル短篇選
ジュール シュペルヴィエル Jules Supervielle 綱島 寿秀
4622080508

『火山を運ぶ男』を読む僥倖に恵まれ、他の作品も読んでみたくなったので図書館で借りた。短篇集だが巻頭に収録されている表題作が素晴らしく良い。船が近づくと波のあわいに消えてしまう海の上の村でひとりぽっちで暮らす少女。実体があるのかないのか、生きているのか死んでいるのか、現実なのか夢なのか、あちらの世界と、こちらの世界を、ゆらゆらとたゆたっている感じ。

幻想のようでありながら現実のようでもある、不思議な物語が続く。巻末近くに収録されている「三匹の羊をつれた寡婦」という物語が「この心のひろい寡婦には、羊の息子が三匹あった」とはじまっても、その奇妙な設定を疑いなくすんなり受け入れられるようになっていて驚く。

真っ白な紙の上には境界も枠組みもない、という当たり前のことに再度気づく。

みすず書房の「大人の本棚」シリーズ。他にも何冊か読む予定。
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2006年07月25日

幸薄い

In the Maybe World
Lisa Germano
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やっと、やっと、やっと、やっと来ました・・・・・。

正座して拝聴するのみなのですがぼんやりと「幸薄い」という言葉が浮かんできました。これほどぴったりな言葉があるでしょうか(自賛)。今回のは、これまでのに増して幸薄い感じがします。不幸、というのではないのです。このニュアンスの違いを皆さんに分かっていただきたいので今すぐ買いなさい買いなさい、是非買ってしまいなさい。

驚いたことに今回歌詞カードがついています。「red thread」の歌詞のせいだと思いますが「PARENTAL ADVISORY」です。そんなことはどーでもいいですがどーでもいいことしか書きたくないのです。あとは音楽が全部語ってくれるのですもの。
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2006年07月24日

個人的な体験≠普遍的な体験

個人的な体験
大江 健三郎
4101126100

文中のどこかに、たとえそれが個人的な体験であっても深く深くつきつめていったなら人間一般の真実に関わる抜け道にでるような体験はあるはずだろう?といった趣旨の一文があったように思う。ではこの小説がそういった「普遍的な体験」と成り得ているかと問われたら一読者としての私は否という。大江健三郎の、大江健三郎による、大江健三郎のための、小説でしかない。

偽悪的なまでに正直な。頁から血が滴るほどに内面を抉りぬいたものであっても。

他者の最も醜く敏感で繊細な部分を、こっそり覗き見ているような感覚に襲われる。鳥(バード)の恥辱を通して我々自らの恥辱にベクトルを向けるべきなのであろうが、今回に限り小説の頁は鏡の役割を果たしてくれずマジックミラーの向こう側で煩悶する著者を奇妙な冷静さでもって眺めることしかできなかった。
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もいっちょすねてみる

Mind Fruit
Opus III
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ああ、「It's a Fine Day」ってこんなアレンジになっててもいいなあ・・・。

(アマさんへの恨みを込めて腹筋、腹筋!)
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2006年07月23日

清く、明るい部屋で

芽むしり仔撃ち
大江 健三郎
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登場人物たちは皆、汗に、血に、泥に、膿に、垢に、糞尿にまみれて汚れきっている。カミュの『ペスト』とはまた異なるべとついてねばついた汚穢。

戦争末期の日本の深い森の奥で疫病とともに村に監禁された少年達の物語を、空調の効いた、消毒液の匂いに充ちたスポーツジムのラウンジで、洗いたての髪と、洗いたての身体から外国製の香料の匂いを漂わせながら読了するということの、居心地の、悪さ。
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さらにすねてみる

Psalm 69: The Way to Succeed & the Way to Suck Eggs
Ministry
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ああ、インダストリアルって感じだなぁ、いつ聞いてもいいなあ・・・。

(そうして今日もまだ届かないのであった。どうなってるんだよアマ!)
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2006年07月22日

よく分からないが

柔かい月
イタロ カルヴィーノ Italo Calvino 脇 功
4309462324

第一部Qfwfq氏の話は「イタロ・カルヴィーノの創世記」とでもいった趣き。どろりと溶けて地球に落ちてくる月。漫画を文章で描写しようとする試み。結晶・・・はよく分からないな、「血と海」は血は海であり海は血であり要するに内部は外部であり外部は内部であり、といった話だがさてQfwfq氏とはいったい、時空を自在に越える第三者としての話者なのかと思っていたら第二部では突如細胞の視点から語りだし、かと思えばオアシスの夕方の甘美さを思う駱駝に化身する。

第三部「ティ・ゼロ」はライオンとライオンに向き合う狩人の距離を微分的に描写し、「追跡」「夜の運転者」では夜の高速道路においてのあらゆる要素が神経症的に検討される。「モンテ・クリスト伯爵」は内部と外部がこじれた牢獄からの脱出の可能性をこれまた極限までつきつめている。

・・・要するに、よく、分からない。

「一方、彼の方としては、書かれたページのうしろになにもないことを、世界は人為的な技巧、虚構、誤解、嘘としてしか存在しないことを彼女に示したかったのです」―『冬の夜ひとりの旅人が』p.332

よく、分からないが、カルヴィーノ自身が書かれたページのうしろにはなにもない、と言い切っているのだから、何も考えずにああ面白いと思いながら読めばそれで良いのだと思う。
posted by nadja. at 20:57| Comment(0) | 小説*海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

もっとすねてみる

Appetite for Destruction
Guns N' Roses
B000000OQF

ああ、何年経ってもやっぱりいいなあ・・・。

(今日もまだ届かないことに対する抗議のつもり)
posted by nadja. at 01:40| Comment(3) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月21日

すねてみる

With Strings: Live at Town Hall
Eels
B000E6EIZS

ああ、男性vo.もいいなあ・・・。

(アマさんがLISAさんの新しいのをまだ届けてくれないことに対する抗議のつもり)
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あなたはイタロ・カルヴィーノに翻弄される

冬の夜ひとりの旅人が
イタロ カルヴィーノ Italo Calvino 脇 功
4480030875

「あなたはイタロ・カルヴィーノの新しい小説『冬の夜ひとりの旅人が』を読み始めようとしている」という書き出しではじまる。まさに読み始めようとしている私=あなたは当然戸惑う。読書とは安全な行為のはずではなかったか?何故作者がこんなにしゃしゃり出てくるのだ?

戸惑いはそれだけにとどまらない。ここに収録されている短篇、といっていいのかどうか、にはすべて結末が用意されていないのだ。入れ子構造などという言葉が吹っ飛ぶくらいの複雑な構造をもって誰が主人公で何が主題なのかもあいまいなまま作者は読者を置き去りにしてどんどん進んでいく。次々と途中で中断してしまう物語に肩透かしを食わされながらふと私=あなたは気づく、いったい、途中で中断しない物語など、かつてこの世に存在したことがあっただろうか?あらゆる物語は、作者の独断に基づく突然の「完」で打ち切られているだけではないだろうか?

・・・なんなんだ、この読書体験は!
posted by nadja. at 01:26| Comment(0) | 小説*海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月18日

ごめんなさいごめんなさい

Blue
Joni Mitchell
B000002KBU

実ははじめてなんです、ジョニ・ミッチェルをちゃんと聴くのは。過剰にアーティスティックで、過剰にソフィスティケートされていて、というイメージがあって、とっつきにくくてご遠慮したくて(だいたいすごく格好つけてる感じがしませんか?)避けて通っていたんですけど、これが源流なんだ、と。

うちには女性SSWモノのCDがたくさんありますが、全部これの亜流なんじゃないかと。今更ながらに思いました。全曲歌えるくらい聞き込みます。ごめんなさい。
posted by nadja. at 01:23| Comment(6) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月17日

信じられん。

Back in Black
Back in Black


アホアホロックでも聞こうと思って、は、そういえばうち「Hells Bells」がないわ、と思って本当はこのあたり

AC/DC Live: Collector's Edition
AC/DC Live: Collector's Edition


でも借りようと思ってツタヤに行ったらですよ、「Back in Black」たった一枚しかないんですよ、先日「邦楽が進化したので洋楽には用がない」みたいな記事を見かけて激しい眩暈に襲われたばかりだったんですけどもAC/DCが一枚しかないって何よ、そりゃあ雰囲気重視の「とりあえずミュージック」が世に蔓延するわ、流行には疎いけどさ、ジャンクフードのAC/DC、レイナードスキナードTシャツなんか売れ筋なんじゃないの?

と悪態をついてみたくなるのは酔っ払っているからです。失礼しました。
posted by nadja. at 22:22| Comment(0) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月16日

圧巻

分冊文庫版 絡新婦の理〈1〉 分冊文庫版 絡新婦の理〈2〉 分冊文庫版 絡新婦の理 (三) 分冊文庫版 絡新婦の理 (四)

先日母が「京極夏彦の新刊が出た」とほっぺたをほころばせて買ってきたので仕方なく(?)読み直す。再読、再々読、いやもっと? とにかく4冊並ぶと圧巻。

一番好きな作品である。何度読み返してもとにかく面白い。もちろん結末は分かっているので粗探しをしながら読むわけだが、あまりに出来すぎている、ということ以外見つからない。この精緻な仕掛けを構築した京極氏の脳味噌という蜘蛛の巣に捕えられ篭絡されるのはえもいわれぬ快感なのだ。

「塗仏の宴」は長すぎて読み返す気になれず、「陰摩羅鬼の瑕」は薄っぺらい。「魍魎の匣」とどっちが好きかと問われたらちょっと迷うけれどやっぱりこっちかな。京極堂がかっこよすぎるのだもの。元々私は妖怪譚が苦手なのでこのような西洋かぶれのほうが肌に合う。決して本流ではないけどグノーシス主義だとかユダヤ教だとかもかんでくるので。
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2006年07月12日

奇跡を待ち望む

チャペック小説選集 (1)
カレル・チャペック
4915730131

短篇集。2篇ほど読み残していたので。あの可愛らしいキャラクターのイメージしかもっていなかったのでこの哲学的/幻想的な文章には驚いた。

「どこから来たわけでもなく、どこにもつながらない足跡」

というまったくもって無目的な奇跡をめぐって展開される「足跡」と「悲歌(足跡U)」が味わい深かった。ベケットみたいな「待合室」も(「けれども待てば待つほど・・・。何が来ようとも、我々は救われるのです」!)。

この成文社から出ている小説選集はどうやら「可愛らしくないチャペック」が集められているみたいだ。石川達夫さんの硬質な訳文が、ますます抽象度を高めているような気も、する。
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2006年07月11日

夏だし、暑いし

Music of a Sinking Occasion Halfway to You Will You Find Me In a Safe Place


などを聞いて涼んでいました。ステキすぎ。
posted by nadja. at 23:13| Comment(0) | etc | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

鬱陶しい体験

ホワイト・ノイズ
ドン・デリーロ 森川 展男 Don Delillo
4087731693

陰鬱で退屈な小説。我々の意識の端に、片時も途切れることなく明滅している鬱陶しさの正体が次々に陳列される。化学薬品、成分表示、ダイエット、スーパーマーケット、電磁波、得体の知れない薬、脂っこいファーストフード、消えないテレビにラジオ、家族とのくだらない会話、浮気、離婚、そして死への恐怖、

とはいえ我々日本人は、この一番最後の「死への恐怖」をこのようにあからさますぎる形で表明することをしない。死を恐れることを恥とする文化がたしかにあるから。だからこの小説の主人公たちの怯えを正しく理解することは多分、できない。
posted by nadja. at 19:22| 小説*海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月05日

身体が求めた

The Fragile
Nine Inch Nails
B00001P4TH

ぼけーっと生きているからかそれとも鬱陶しい事件が続くからか、「ど〜んちゅ」が聞きたくなって、ぱかっとケース(といっても紙ジャケ見開きですが)をあけたらLEFTしか入ってなーい(苦笑)!!

こういうだらしのないことは私の場合非常に多々あることなので、片っぱしからCDかぱかぱあけて2枚重ねになってないか探したところ、Hope Sandval&The Warm Inventionsの『Bavarian Fruit Bread』から出てきましたよ。組み合わせの妙にひとりくすくす笑いながら爆音で。実はNINのなかではコレが苦手であんまり聞かないできたんですが、お風呂で電気を消して三角座りで自閉症的なポーズで聞くとずんずん加速度的にめりこんでいってしまって深く深く侵食されました。

あーこういう系統のオンガクも聞きたくなってきたなぁと思ってはみたものの何を聞いたらいいのか全然分からないのでおすすめがあったら教えてください。とりあえずANTHRAXもラウドパーク決定したことだしMINISTRYあたりで手を打っておきますが(もう行く気まんまん)。
posted by nadja. at 18:26| music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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