2006年06月30日

あいらぶゆ〜

Monsieur Gainsbourg Revisited
Various Artists
B000EXDXSO

とにかく参加アーティストが豪華な一枚。Franz FerdinandにJane Birkin、Cat PowerにTrickyといちいち打つのが面倒なのであとはアマゾンさん頁をご確認ください、なのですがもちろん白眉はPORTISHEAD、そりゃあ思わず太字になりますのPORTISHEADなのですが正直なところ出来としてはいまいちで、その直後に収録のFaultlineらによる「Requiem for a jerk」に完全に食われています。一日も早い完全復活を望むところです。

あと耳に残るのはやたらと色っぽいCat Power&Karen Elsonの「I Love You(me either)」って書くと何の曲だかはてなですが「Je t'aime moi non plus」です、あいらぶゆ〜、あいらぶゆ〜、背筋をネコじゃらしでふんわり撫でられているようなこれまた恐るべき猫力です。
posted by nadja. at 12:13| music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

これぞテクストの快楽(?)

血みどろ臓物ハイスクール
キャシー アッカー Kathy Acker 渡辺 佐智江
4560044813

私は分類をすると「真面目な(いやむしろ生真面目な)読書家(えー)」であるはずなので、このようなただの書きなぐりと「センス」という薄皮一枚隔てたところでようやく成立しているようなご本とは縁がなかったわけなのだがなんせカルト・クラシックな作品であるらしく。文学におけるジョン・ケージの「4分33秒」あるいは「0分00秒」とでも言えばいいのかと思ったけど最後まで読んでそんな気もしなくなった。貶しているのではなくてただ「なんちゃらのような」とか「ナントカの手法が」とかそーいうのがバカらしくなっただけである。

あーもーこーして「文学」の領域がどんどん地すべりを起こしていくんだー

とも思わなかった。どうでもいいのだ、そんなことも。

我々が開く本の両端とはキャシー・アッカーの両足であり、薄笑いを口元に浮かべながら執拗に目で追い回すページとは彼女の剥き出しにされた性器である。あ、そうそう、こんな感じでいいんじゃないの?
posted by nadja. at 09:28| 小説*海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月28日

DIRTY THREE@大阪BRIDGE

のライブに行ってきました。なんとDIRTY THREEのお三方がステージに現れたのはもうすぐ10時になろうかという頃でした。私などはまったく不勉強であるのでろくすっぽオフィシャルサイトも見ないし、雑誌を買うわけでもないし(そもそも掲載されたりするのだろうか)、ずばりお顔を知らなくて、ドリンクスペースでビール片手に煙草吸いながらぼけーっとしてたときに隣に座っていたのがミック・ターナーさんだったとはもう土下座したい思いであります。なんかきちゃないおっちゃんやなーとガンを飛ばしたのがウォーレン・エリスさんであったり(・・・)。

BRIDGEというハコじたいはじめてだしだいたいフェスティバルゲートに足を踏み入れたのもはじめて、偉そうにタクシーで乗り付けたんですがスパワールドの入り口に止められて迷いました(・・・)。とにかく、もう抜け殻みたいな場所なのです。

『CINDER』から、Flutterではじまったライブは「きちゃないおっちゃん」というとあまりに失礼だけれどまあ、見た目はどうだっていいじゃないですか、のウォーレン・エリスさんの「かわいいネ」といったお決まりのカタコト日本語などもまじえ、キックアクション(・・・)やグラウンドアクション(寝転がってましたよ)ありのほのぼのとした雰囲気で進みましたがとにかくジム・ホワイトさんのドラムが神レベルで、そんなことは『HORSE STORIES』一枚聞いたら分かりますが本当にすごかったです。

Horse Stories
Dirty Three
B0000019LR

圧巻はこれからのSue's last ride。私はこのアルバムが本当に好きなので、Hopeも聞けて大満足でした。1時間半くらいかな、もちろんフェスゲーの営業時間も終了していてスタッフ用の裏口エレベーターからぞろぞろ帰った、というのもまた味があってよろしゅうございました。
posted by nadja. at 00:16| live | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月27日

だから何よ。

彼女(たち)について私の知っている二、三の事柄
金井 美恵子
4022642963

朝日文庫版を読了。いきなり丹生谷貴志さんの「あっ」「あっ」(・・・)な解説を引くと

・・・要するに、「勤労−報酬」の「経済」サイクルから陥没してしまった者たちの、マージナリティーの問題、そこでの無益な冗舌? そうだから何なのか?

お見事。

「30歳、定職、彼氏なし」の桃子とその周辺にたむろする編集者の花子、小説家のおばさん(は金井さんの分身であろう)、隣人の岡崎さん、がただ漫然と、すばらしい飲みっぷりと食べっぷりを披露しながら、弟の結婚から女子高生のエンコウ(という言葉はまだ使ってよいのだろうか?)、キティちゃんからモンローにいたるまで、まあとりとめもなく広汎なテーマについてとにかく喋る、喋り倒すのである。「だから何よ」、のスタンスで。

ただ、それだけ。本当に、それだけ。

むしろ危険なのは、何もやることがないという状態からの脱出を夢見始めてしまうことであり、また、やることがない状態を人間が耐えられないと信じ込んでしまうこと―

というのはこれまた丹生谷さんの『死者の挨拶で夜がはじまる』の巻頭におかれたインタビューからの引用であるのだけれども(「あっ」)そういうこと、紅梅荘に集う面々は皆、絶対に、この危険に陥ることは、ない。
posted by nadja. at 09:03| 小説*日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月25日

とにかく上質

Good Dog Bad Dog: The Home Recordings
Over the Rhine
B000042OHE

つい最近まで全然知らなかったんですけどもここ数日こればっかり聞いてます。オハイオはシンシナシティ出身のLinfordさんとKarinさんの夫婦2人でやってらっしゃるようでディスコグラフィなどをみるともう90年代の初頭から活動していてCOWBOY JUNKIESなどとツアーをしていたようです。

音源が入手しにくいようで、注文は出しているのになかなか届かず。これもヤフオクで落としました。ちょっとエディ・リーダーを思わせるような、とにかく伸びのよい声で、むちゃくちゃ上手いです。私が知ってるなかでならFAIRGROUND ATTRACTIONに似てるのかもです。でもあくまでピアノ・アコギメインなのでもちょっとシンプルかつこじんまりしてるかな、でもでもクオリティ的には一歩もひけをとらないと思います、大絶賛。
posted by nadja. at 16:01| music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月24日

これは一種の戦争でありうる

中井英夫全集〈1〉虚無への供物
中井 英夫
4488070116

人は退屈したとき推理小説を手にするものだ。作者の仕掛ける罠に、罠と知りつつはまり、そうして殺人を「愉しみ」、最上級の犯罪を「期待し」、あざやかな解決を「待ち望む」。そんな事件も殺人も実際にあった試しがないのだから、ミステリ=娯楽小説、の等式は、本を片手にソファに座る我々の脳裏に絶対的な大前提として存在している、はずなのだ。

本書には充分すぎるほどの密室があり、殺人があり、推理があり、暗号があり、謎解きがある。もうその面白さといったらこの創元ライブラリ版で679ページの大部を一気に読みきらせてしまうほどで、随所に顔を出す古今東西のミステリの名作、そして名探偵たちもその筋の話が好きな人なら堪えられない魅力になっている。私などは読んだ端から筋を忘れていってしまうので(というよりも最近では読んだことじたい忘れていってしまうものだからこんなブログを書いているわけだが)、ガストン・ルルーの『黄色い部屋の謎』やフィルポッツの『赤毛のレドメイン家』あたりは読み返さなきゃならない羽目に陥ってしまったが。

だがこの「虚無への供物」という作品の本当の面白さは、作者塔晶夫(中井英夫)が読者に対して仕掛けたタイマン勝負の只中にこそある。我々は「読む」以上、このタイマンから逃げることができない。絶対に逃げられない巧妙な罠が仕掛けられている。

だからああ退屈だ、などと欠伸をしながら気軽に読み始めるとこてんぱんに打ち負かされる。「読む」という行為の本質は作者と読者の戦いなのである。
posted by nadja. at 11:04| ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月21日

なんて切ない

Moon Pix
Cat Power
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朝(っていっても私には夜なのだけれど)聞くんじゃなかったなぁ、とにかくしょんぼりしてしまう一枚です。この人の声は胸が痛くなるほど切ないですね。「What Would the Community Think」の次にあたる98年リリース。どちらかというと淡々と語るように歌う、というイメージがあったのですが、カヴァー曲「Moonshiner」では惜しげもなく切ない声をはりあげています。でもだいたいピアノメインの落ち着いた曲ばかり。しょんぼり。しんみり。夜聞いてください。
posted by nadja. at 10:30| music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

充ち足りた言葉たち

充ち足りた死者たち
ジョイス マンスール Joyce Mansour 巌谷 国士
4309901808

なんて幸福そうなのだろう。この黒い表紙に挟まれた紙の上では何事も禁止されていないのだ。あらゆる言葉が聖性を帯びて美しい(訳文が素晴らしいのだが)。ああもう何を書いてもチンケだ。いい子ちゃん文学なんかくそくらえ。ブルトンもアラゴンもアルトーもバタイユも教えてくれなかった快楽がここにあった。
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2006年06月19日

妄想小説。

木曜の男
G.K.チェスタトン 吉田 健一
4488110061

創元推理文庫なもんだから「ミステリ」にしたけれどもこの物語はおよそ半分を過ぎたあたりでころりとその表情をかえる。ひどい。ひどいけど深い。深いけど腹が立つ。腹が立つけど面白い。面白いけど分からない。分からないけどしてやられたと思う。してやられたと思うけどよくよく考えれば最初から分かってたような気がする。最初から分かってたような気がするけどまさかそんなことが・・・。

ヨーロッパ無政府主義中央会議、なるものを中心に物語は進行する。日曜、月曜、火曜、といったコードネームを持つ7人の幹部たち。

でピン、と来るべきなのだよな、嗚呼悔しい!!

随所に差し挟まれるチェスタトン一流の風刺や諧謔を楽しむもよし、吉田健一氏の独特の訳文を楽しむもよし(私は苦手)。そしてとことん悔しがるもよし。とにかく「荒唐無稽」な、物語(うわぁすごいヒント)。
posted by nadja. at 06:11| ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月17日

雨の日にぴったり

The Listener
Howe Gelb
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ヴェルヴェッツっぽい気だるさもありながら低くて穏やかな声のせいかあったかみも感じる懐の深いオンガク。プレイボタン押した瞬間に空気の感触が変わるような。こういうオンガクかけてくれる喫茶店で珈琲でも飲みながら窓の外の雨を眺める、とかいい気分だろうなぁ、と思ったり。

HOWE GELBさん、「ex-Blacky Ranchette, Giant Sand, OP8」とのことだったのでちょこっと調べたら、

Cover Magazine
Giant Sand
B00005Y0RC


これ。これこれこれ。「Iron Man」はサバスだし、「Human」はGOLD FRAPP、そうして極めつけは「Plants and Rags」。PJ HARVEYの1stの中で一番好きな曲です。名曲です。いったいどんなカヴァーを聞かせてくれるのでしょうか。さ、注文注文。
posted by nadja. at 15:11| music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

笑うドストエフスキー

白痴 (上巻) 白痴 (下巻)

「悪霊」「カラマーゾフの兄弟」「地下室の手記」のイメージで読むと絶対にずっこけてしまう。これはどたばたコメディである。とにかく登場人物の皆が皆異常にテンションが高く、話し出したら止まらない。白痴、といわれながら実は一番まっとうな存在であるムイシュキン公爵もその例外ではなく、初対面の将軍一家の前で延々演説をぶつ始末。またその内容がふるっていて、死刑を宣告されながら執行の5分前に釈放された男の話がさらりと挿入されていて、ドストエフスキーのにやにや笑いが透けてみえるようだ。イヴォルギンにいたっては存在自体がお笑いである。

背表紙の解説には「無条件に美しい人間を現代において創造しようとするドストエフスキーの悲願の結晶」とあるけれども、そんなに深刻ぶって読む作品でもない。ツッコミどころ満載、文豪ならではの深い人間洞察に基づいた、壮大かつ深遠なコメディなのだ。

ムイシュキン公爵をロシア版ドン・キホーテ、と言い切ってしまいたい欲望に駆られたが実は『ドン・キホーテ』を読んでいないのだった。次挑戦するかな・・・。
posted by nadja. at 06:21| 小説*海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月15日

ねこねこねこ

猫物語
猫物語


白水社のねこねこアンソロジー。西洋で猫といえば悪魔の手先であったり魔女の使いであったり、といったイメージが強いのだろうか。巻頭のアントーニイ・ボゴレーリスキイ「モスクワの魔女と黒猫」などはまさに魔女とその使いの黒猫のお話。シュトルムの「ブーレマンの家」、ミステリでおなじみのセイヤーズ「キプロスの猫」、あとカルヴィーノの「がんこな猫たちのいる庭」が面白かったがどれもこれも化け猫系のお話。

ねこってばこんなに可愛いのに。

いつも一緒に転がっているけど、朝の雨を眺めている猫の横顔はどことなく神秘的で、もしかしたらこっそり、魔法を唱えていたりするのかもしれない。
posted by nadja. at 06:44| その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月14日

アンナ・カレーニナを斬る

アンナ・カレーニナ (上巻) アンナ・カレーニナ (中巻) アンナ・カレーニナ (下巻)

もっとはやくに読んでおくべきであった。小賢しい批評をしたがる自我が芽生えるその前に。私にはこの小説が何故あれほどの高い評価を140年たった今でも受けているのか分からない。あまりに多すぎる登場人物、「なにもかも」を書こうとしすぎるせいでぼやけてしまう論点、一部の登場人物に対する著者のあからさまな偏愛、と内容が散漫きわまりない上、アンナとヴロンスキーの決定的な瞬間、アンナがヴロンスキーに「堕ちた」瞬間の記述が、これだけ事細かにありとあらゆることを描写しつくしているにもかかわらず、あろうことか「.................」なのである(第2編10)。その前の8と9はカレーニンとアンナのやり取りであるので省くとして、第2編の7はヴロンスキーが「目的達成に近づいたと自覚して」幸福を感じるシーンで終わっている。ああ歯がゆい、なんとも残酷なカットアップ、なにゆえに美貌の人妻アンナは少々髪の薄くなりはじめた青二才にころっと堕ちてしまったのか。誰か教えて、納得できるよーに教えて、

と暴れたくなるのを禁じえなかった。

それにどの登場人物もまったく魅力的でないのだ。リョーヴィンは依怙地で堅物、キチイは今でいうぶりっ子タイプ、ヴロンスキーは中途半端でいい加減なちゃらんぽらん野郎だしアンナは嫉妬深くて恥の意識に欠けている、唯一その行動原理になんとなく共感できたのはカレーニンくらいである。

正直読み進むにつれて「何もかもアンタの自業自得でしょうが」としか思えなくなってきて、上中下のあわせて1600ページ超はあまりに辛いシロモノであった。

恋愛ってどういうものかしら、と思っているうちに読んでおくことを激しくオススメする。
posted by nadja. at 06:42| 小説*海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月10日

ザ・コケティッシュ

Yes, Virginia...
The Dresden Dolls
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日本盤は¥2,548なのにUS盤だと¥1,788。小さな差(そんなに小さくもないか)だけど月に10枚買うとしたらどんだけ違いますかっ。

今年の4月に出たのであるらしい「The Dresden Dolls」の、多分、2枚目。こってりごってりした味付けながらトイピアノの音にしんみりしてみたり。末端まで神経の行き届いた、凝った音作り。古いようで、新しいようで、でもこんなオンガクはあんまり聞いたことがないようで、ひどく混乱させられてしまいました。何となくセピア色を連想するのはジャケにやられているせいだけではないはず。コケティッシュ、という言葉のお手本を聞いているみたいでした。

とにかくちょっと、妖しい(笑)のはたしかなのですが聞くたびに新しい発見があって楽しいです。 アマンダ・パーマーさんの絶妙のタイミングで自由自在にひっくり返るvoも素敵。豪華絢爛に素敵。
posted by nadja. at 06:57| music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月09日

いまだ、古典、たりえず。

闇の奥
コンラッド 中野 好夫
4003224817

そ、そうか、この「闇の奥」、『地獄の黙示録』の元ネタだった。

たまたま本棚で見つけたので読んでみた。いつもいつも、何度挑戦しても、途中で日本語の困難にぶつかって挫折してたけれど勢いで読了。アマゾン頁にて例のクルツの言葉―「地獄だ!地獄だ!」の原文が「The horror. The horror.」であったことを知る。

・・・・・。

1899年。ベルリン会議でイギリスとドイツがアフリカと小アジアを色分けする。南アフリカでは第二次ボーア戦争が勃発する。イギリスはスーダンを制圧し、バグダード鉄道は最終的にドイツの手に渡る。そんな荒っぽい世界分割を支えていた理念はこの「闇の奥」に濃縮還元されている。2006年の今になってみると、我々の世界とこの1899年の世界とでは認識論的切断、らしきもの、が確かに存在しているように思える、からわざわざ「古典」というカテゴリを用意してはみたが、果たして「地獄」は、「horror」は、駆逐されたか。

象牙への飽くなき執着は相変わらずである(Wikipediaによれば「象牙と全く同じ質感のある素材を、牛乳のカゼイン蛋白と酸化チタン粉末から作ることが可能」だそうだ)。アフリカ大陸はずっと不安に揺れている。そこではやはり白人が武器を持ち、政府を置いて「民主主義」の名の下に新たな「分割」を進めている。

いまだ、古典、たりえずか。
posted by nadja. at 04:33| 小説*海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月08日

寓意の換骨奪胎

ルゴーネス―塩の像
4336025738

国書刊行会の「バベルの図書館」シリーズはどれを読んでもほぼはずれがない。文字も大きいし気軽に読めるわりには想像力に過剰なまでにうったえかけてくる作品が多いので気分転換にぴったり。

このアルゼンチンの奇妙な作家の著作も、サルが話さないのは話そうとしないからだ、という妄想に憑かれた男の話ではじまる。そして街には火の雨が降り注ぎ、塩の像は溶け出して、馬が暴動を起こし、影が姿形を変えるかたわらで秘めやかな愛が刺し貫かれ、哀しい愛が終わる。「火の雨」と「塩の像」がよかった。どちらも聖書に典拠をもつ。

「ルゴーネスは誰もが知っている寓意を途方もない神秘によって豊かに膨らます」(ボルヘスによる序文)。「アブデラの馬」などは少々膨らませすぎであったように思うが。
posted by nadja. at 14:58| 小説*海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

芽が出た。

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去年出たTORI AMOSの「THE BEEKEEPER」ですが、私の買ったのには(多分此処に出したLimited Edition)「THE BEEKEEPER MIX」というお花の種が入ってました。本当は去年蒔こうと思ってたんですけど、なんだかんだでのびのびになって先週の金曜日に、蒔きました(のびすぎ)。そしたら、こんなに芽が出ましたよ。

パッケージによると、「Cornflower, Annual Sunflower, Cosmos, Forget Me Not, Corn Poppy」(任意に抜粋)などなどが入っているみたいなんですけど何の芽なのか一向に分かりません。でもすごく楽しいです。こういう遊び心大好き、とかいいながら蒔くの遅すぎ。ホントにハチが寄ってきたらたまらないですけど。

The Beekeeper
Tori Amos
B00076EPR6
posted by nadja. at 06:03| etc | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月06日

あ、そゆことなのね

Ophelia
Natalie Merchant
B000006OAM

下のエントリに出したのがぽつぽつ届き始めていて、今日はこの「OPHELIA」を聞いていたのですけどなんか聞いたことのある声だな〜と思っていたらこのNATALIE MERCHANTさん、10,000MANIACSのボーカルの方だったんですね、なるほど。「Eat for Two」のイメージしかなかったのでちょっと意外でした。T9の「Effigy」では素晴らしい高音の伸びを、んでT10「The Living」では物悲しい落ち着いた声を(やっぱりもう一回聞けてよかった)聞かせてくれます。いや、いい。すごく、いい。
posted by nadja. at 19:29| music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月04日

素晴らしき新世界・・・

テラプレーン
ジャック ウォマック Jack Womack 黒丸 尚
4150109834

ヒーザーン
ジャック ウォマック Jack Womack 黒丸 尚
4150109761


の2冊をまとめ読み(本当は先月の話だけど)。ジャック・ウォマックというとバリバリのサイバーパンクというイメージがあって、かなり難解なのではないかと思っていたけれど、少なくとも『テラプレーン』に関してはまったく問題なかった。アクション映画顔負けの派手な展開にロマンスまでおまけでついてきて、単純に「面白い」作品であった。パラレルワールドやディストピアといった題材を「必須化」だとか「脱ポケット」だとかいう特殊な「ポストモダン語」を織り交ぜながら(これは名詞が動詞化しているそうだ。『ヒーザーン』の解説には「Bread Me」という例が紹介されている。これは「パンして」と訳されている。「必須化」は「essentialled」、脱ポケットは「Depocket」なのだそうだ。お見事な翻訳)テンポよく、小気味よく、そして無駄なくあますところなく、もしなく多分なく(笑)描き出している。

『テラプレーン』は黒人退役軍人が話者だったが『ヒーザーン』では女性。なにしろ救世主をめぐるストーリーなので宗教色が強く(タイトルからして「Heathern」、heathenの南部訛りが元になっている)、単調な分読みづらい。が通底する世界観は同じであり、『テラプレーン』に比べるとSF色も薄く、観念小説の趣きもあって私はかなり好き。ジェイクはどちらの作品にも登場していい味を出している。

六部作、まとめて読んでみたいけれど名訳者黒丸さん亡き今この荒れ果てた世界の更新は日本において滞っているのが現状。ちょっと原文では読めなさそうだよねぇ・・・。
posted by nadja. at 18:45| SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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