2006年05月24日

エログロナンセンス


ウラジーミル・ソローキン
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きょーれつ、としかいいようのない作品。17の短篇がおさめられているが、その一番はじめの表題作、「愛」はたったの6ページしかないにも関わらず600ページの長編小説並みの「想像力の冒険」を強いてくるすごい作品。あんたは子供か、とため息と失笑がもれてしまうほどの肛門的なるものへの愛着(お食事中には読まないほうが良いですよ)、グロテスク極まりない描写、突然崩壊する文体、梯子がはずれたかのようにガタガタになる物語世界、何もかもが「小説の極北」という言葉にたどり着く。

爆笑を誘ったのは「記念像」。台座に刻まれる記念碑をこれでもか、と列挙するのだがまあよくもこれだけ意味をなさない、荒唐無稽な単語の結びつきを思いつけるものだなと心底感心する。「出来事」の末尾近く、魔術的なリズムでもって迫ってくる固有名詞の羅列も良い。本書を訳出してくださった亀山郁夫氏に最大級の賛辞を送りたい。
posted by nadja. at 18:59| 小説*海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

続報

DIRTY THREEの大阪公演が決定した模様です。わーい。詳しくはコチラ。6月27日火曜日、大阪BRIDGE・・・新世界ですか・・・。

これで来月はなんとか良い月になってくれそう・・・かな。

最近色々ありすぎて音楽を聞く気にもなれません。多分音楽があれば少しはマシになるだろうことは分かっているのですが。
posted by nadja. at 03:37| etc | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月22日

なんでもない

静かな生活
大江 健三郎
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マーちゃん、こと大江氏の娘さんの視点から書かれた一家の素描。6つの中篇所収。その中の「自動人形の悪夢」から。

 「私があくまで普通の頭で考えているのはね、自分をどんな些細なことにでも特権化しないで、なんでもない人として生きているかぎり、余裕があるということだわ。その上で自分なりに力をつくせばいいわけね。」

マーちゃんの兄、イーヨーに作曲を教えている重藤さんの夫人が述べるセリフ。この「なんでもない」という、何でもなさそうな言葉はひどくクセモノである。この少し前のところで、夫人は、障害を持つイーヨーが混み合ったバスの中で女子高生に「落ちこぼれ」と罵倒されたことに対して、その言葉は取り消しをさせるべきだった、と言う。そして重藤さんのワルシャワ空港での「武勇伝」を語る。政府関係者が一般客の荷物を止めて、自分の荷物をポーターに先によけさせていたことに「そういうことをしていて社会主義か」と抗議するのだ。

「なんでもない」人間は罵倒の言葉を取り消させる「権利」あるいは「資格」をどのように自らに保障するのだろう。ポーランドの政府関係者に抗議するとき、そこには逆に、「権利を持たざる者」を特権化する意識が働いていやしないか。「なんでもない」人は語ることができない。語ること、声をあげることは一つの権利であり、語ったその瞬間にその人は「なんでもない」人ではなくなるはずだ・・・とざわざわ言い始める自分の心の声をどうすることもできなかった。

この中篇の最後部分でマーちゃんは「なんでもない」兄を再発見する。障害者でありながら、音楽に関する特別な才能を有していながら、かつまた高名な小説家の子孫でありながら、「なんでもない」、ただの普通の人、としての兄を。それは「義しい」あり方である、と思う。マーちゃんも、イーヨーも、そしてこの物語を綴った大江氏も、皆「義しい」。このような義しさを前にして、私はいつも、立ち止まる。あこがれや尊敬や畏敬の念とないまぜになった奇妙な違和感とともに。
posted by nadja. at 01:51| 小説*日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月16日

ねぇ、愛ってどういうもの?

小学生のとき、何気なく見ていたテレビの画面から「ねぇお母さん、愛ってどういうもの?」と女の子が問いかけていた。そして彼女は、圧倒的な諦念を顔いっぱいに浮かべながら、「私はそれを知らずに死んでいくのね」と呟く。

半ば原体験と化していたこのシーン、なんとかしてもう一度みたいと思いながらずっとずっとタイトルが分からず、とにかく核戦争後の放射能に汚染された世界を描いた作品であったこと、そこで暮らす一家が順番に死んでいき、庭に穴を掘って埋めるシーンがあったこと、そのくらいの情報を頼りに、随分長い間、いろんな映画を見ては違う、違うと首を振っていた。

たとえば

渚にて
エヴァ・ガードナー フレッド・アステア ネヴィル・シュート
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には、生まれたての赤ん坊を前に母親が、「この子かわいそう、愛を知らずに」と言うシーンがあり、ああ、もしかしてこれなのかな、と思ったこともあったが、シチュエーションがどうしても逆なのだった。

地球最後の・・・だとか人類滅亡・・・だとかいったキーワードを頼りに深夜映画などもたくさん見て、ときおり超B級作品に出くわして腰を抜かしたこともあったけれど、mixiで貴重な情報をいただいて、正しい作品にたどり着くことができた。

Testament
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おそらく戦争はどこかで起こっているのだろう。だがその描写はない。一家と、一家の属する小さな町の営みがひたすらに淡々と綴られる。非常に静かな映画だ。残念ながら日本ではDVD化もビデオ化もされておらず、今回はamazon.comに注文を出し、リージョンコード1のものをメディアプレイヤーで無理矢理読み込んで、英語の字幕を追いかけながら必死で見た。

アメリカという国が製作する映画の常として、「核」はどんなときも正確に描かれることがない。この映画もそうだ。そんなに生易しいものではないだろうことくらい、日本に生まれた者ならば必ず知っておかなければならない。ただ、その描写の甘さを差し引いたとしても、私の心の底にじっとりと澱んでいたあの1シーンは、相当秀逸なシーンだな、と十数年ぶりに見ても、思った。
posted by nadja. at 22:45| film | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ああ東京・・・

Horse Stories Ocean Songs Cinder

DIRTY THREEの来日公演が決定したそうです。6月28日水曜日、渋谷O-nest、with bloodthirsty butchers。チケットは5月20日発売。詳しくはコチラ

これは見てみたいなあ・・・

今んとこ東京オンリーみたいです。「トウキョウオンリー」。やあな響き(笑)。
posted by nadja. at 19:56| Comment(2) | etc | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月15日

これは命令です。

とっとと予約してしまいなさーい!!
In the Maybe World
Lisa Germano
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posted by nadja. at 06:14| Comment(4) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月09日

DEVENDRA BANHARTを偶然買ったのは、

The Black Babies Rejoicing in the Hands

今年のサマソニは、METALLICAとMUSEの段階でもう両日行く、と決めてしまってチケットもとったので、それ以降はまともに出演アーティストの確認もしていなかったのですが、ステージ割りが出たそうなので見てみてびっくり。

DEVENDRA BANHART、つい最近たまたま買ったばかりなのでした。

それというのも、私がLISAさんチェックのために偏執狂的に眺めているYOUNG GOD RECORDSのトップページにこの可愛らしいジャケットが並んでいたからで。これ以上ない、というくらいシンプルな音に、翳のあるヴォーカルがふんわりのっているのはちょっとニック・ドレイクのような感じもして、夜ぼんやりと聞くのがものすごく心地よいのです。

ジャケットだけ並べてみても、とてもいい感じですね。

どうしようMETALLICAとかぶったら。すごい両極端(笑)。
posted by nadja. at 00:30| Comment(2) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月06日

もいっこおおあたり

Goldfish
K
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ジャケットワークはTARA JANE O'NEILさんだとか。またもういっこ繋がりました。すごく落ち着く、ものすごく淡々とした音の流れ。穏やかで深い声。楽器の名前をよく知らないのが悔しいところだけれどたくさんの音が柔らかく鳴っています。IDAのベース、KARLA SCHICKELEさんのソロワークだそうです。こういう音本当に好きだなあ。

その周辺を色々調べていたときに

Those Girls
Low & k.
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こんなのを見つけたのでこれもまた近いうちに「おおあたり」でご紹介すると思います。

おおあたりの日はすごくシアワセ。
posted by nadja. at 01:35| Comment(0) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月02日

おおあたり

Kiss My Arp
Andrea Parker
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TRICKYのページを見ていたときにアマゾンさんがほれほれとおすすめしてきたので珍しく試聴をしてみてどーん。その暗さ、ソリッドでシャープでキレのある音作り、輪郭のぼやけたヴォーカル、PORTISHEADのベスさんに勝るとも劣らないアンコク歌姫に出会いました。

正直延々打ち込み音のインストは個人的にNGだなあと思っていたのですがこれは気持ちいいです。無機質な音の繰り返しに身を委ねていると遠い世界へトリップできます。特にT4、5あたり。
posted by nadja. at 03:53| Comment(0) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月01日

ま、まわされた(笑)

【アーティストバトン】だそうです。【あなたの一番好きなアーティストは?】ではじまるのですがこれはこれは、またまた格好の宣伝の機会を得ました。「知名度をあげよう大阪支部長補佐」、でございます。

■1.あなたの一番好きなアーティストは?
LISA GERMANOさんです。

■2. 好きなところを3つ挙げてください。
声、歌詞、メロディ。オンガクを構成する基本3要素すべて好き。

■3.そのアーティスト名であいうえお作文してください。
り:流離するタマシイが さ:最後にたどり着くところ
げ:幻惑され る:涙腺がゆるむ ま:まぼろしのような の:ノクターン

■4.そのアーティストに影響されたことはありますか?
ゆっくり呼吸することを心がけるようになりました。

■5.そのアーティストはあなたの生活の何割を占めますか?
生活の【ほとんど】はあのオンガクに満たされています。

■6.そのアーティストの曲で元気になった曲は?
「Small Heads」「Happiness」「The Dresses Song」

■7.じゃ、逆に泣いた曲は?
「Singing To The Birds」「...To Dream」

■8.総合的に今一番好きな曲は?
「Around The World」かな。

■9.そのアーティストのLive(またはコンサート)に行ったことはありますか?    

日本に来てください。

■10.Live(またはコンサート)の時のあなたはどんな感じですか?
LISAさんを見るときはずっと泣いていそうです。

はいっ、もう、またかっ、って感じですね。

Happiness/Inconsiderate Bitch EP
Lisa Germano
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未聴の方はこれなんぞおすすめでございます。

きょんサマ、貴重な宣伝の機会を頂戴しまして恐れ入ります(笑)。バトンまわすのは苦手ですので適当にどうぞ!
posted by nadja. at 01:30| Comment(0) | etc | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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