2005年03月01日

無関心な人びと/モラーヴィア

無関心な人びと〈上〉〈下〉/岩波文庫

小説として、それも心理小説として、かなり面白かったです。

マリーアグラツィア:未亡人。
レーオ:その愛人。マリーアグラツィアの屋敷の抵当権を持っている。
リーザ:マリーアグラツィアの友人であり、なおレーオの元愛人。
カルラ:マリーアグラツィアの娘。
ミケーレ:カルラの弟。

たった5人しか出てこない物語なのに、この5人が複雑に絡み合い、嘘と、裏切りと、計算と、欲望と、嫉妬に彩られた一大絵巻を構成しています。けれど底辺にあるのは無関心、ミケーレと、そうしてカルラの、自分を取り巻く状況についての、そうして自分自身に対しての、他人に対しての、どうしようも消し去り難い、虚ろな無関心なのです。

分かるなあ・・・そのとおりだ・・・、いったい何度思ったか数え切れません。

モラーヴィアは17歳でこの小説を書き始め、20歳で出版したそうです。アンファン・テリブルです(笑)。解説によれば私がこの数年来見たくて見たくてたまらない「暗殺の森」の原作、「順応主義者」を物したのがこのモラーヴィアであるそうです。

読み応えのあるしっかりした作品でした。


posted by nadja. at 21:04| 小説*海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。