2004年11月30日

寡黙な死骸 みだらな弔い/小川洋子

寡黙な死骸 みだらな弔い
寡黙な死骸 みだらな弔い/中公文庫

時計塔のある街で、冷蔵庫の中で少年が死に、男の子と女の子は何も話さずに歩き続け、廃れた郵便局の中はキーウイで埋まり、人の手の形をした人参が次から次へと畑からとれ、汽車は動かず・・・

11の短編が巧みに重なり合いながら、入れ子構造を構成しています。
どのお話にも不気味な暗い影が落ちているのだけれど文体がさらりと乾いているので重みは感じません。
こんなふうに、ひとつの街では、無数の物語が、ほんのわずかな接点を持ちながらすれ違い続けているのでしょう、接点を持っているということすら、知らないままに。
こういう不思議なメタ小説はとても好きです。
posted by nadja. at 03:12| 小説*日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月28日

自由戀愛/岩井志麻子

自由恋愛
自由戀愛/中公文庫

大正7〜8年頃の時代設定。
華やかな明子と、質素だけれど堅実な清子、「自由恋愛」を標榜した女学校時代を経て、それぞれに結婚、その後、の物語。
無邪気さが発する優しさがいかに残酷か、そうして抑圧された自尊心がいかに強烈な復讐心を呼び起こすか、明子と清子、それぞれの視点から絡み合う感情のあやがくっきりと、鮮明に描かれています。

来年1月23日からWOWOWでドラマ化決定、だそうです。
多分明子が長谷川京子さん、清子が木村佳乃さん。
木村佳乃さんははまり役だと思います。
posted by nadja. at 04:07| 小説*日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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